潅水とは
・植物が必要とする水分の補給
・潅水法には、パイプで導いた圧力水を飛沫状態にする散水法があります。
・施設内では、点滴潅水、地中潅水などもあります。
・植物の育成が不可能な場所でも潅水設備を設けることで育成ができるようになります。
自動潅水・壁面緑化・屋上緑化
自動潅水(自動散水を行う)
点滴ホース・スプリンクラーにて、植物に水やりを行うシステム・コントローラーに潅水時間を設定して、自動で水やりをします。レインセンサー等の利用でより節水が出来ます。
壁面緑化 (壁面を緑化すること)
建物の躯体壁面、建物を取り巻く塀や門などの外構工作壁面、(道路擁壁・河川 護岸・橋梁橋脚)などの土木構造の壁面を自動化することで管理者が行きにくい場所にも植物の育成ができます。さらには博覧会や展覧会などのイベント会場の自立壁面などと多岐にわたります。
屋上緑化
建築物の断熱性や景観の向上などを目的として、屋根や屋上に植物を植え緑化することです。
自動潅水-都市緑化-
1.潅水の目的
・緑化樹が必要とする水分の補給
・緑化樹の維持管理コスト節減
2.潅水計画・基本項目
①緑地基模、重要度・植栽樹種 ・緑地基模による潅水システムの選択(例:全自動・半自動・手動)
・景観保護度合による潅水手段の選択(例:芝生へのスプリンクラー・点滴潅水ホースの埋設)
・樹種による潅水要求度(例:浅根のさつき・つつじは潅水要求ど高い)
②管理体制
管理者 | 小規模緑地 | 中規模緑地 | 大規模緑地 | 管理頻度 |
住み込み | 手撒き~手動 | 手撒き~半自動 | 半自動~自動 | 毎日 |
通勤 | 手動 | 半自動~自動 | 自動 | 毎日 |
造園業者 | 自動 | 自動 | 自動 | 1回/月 |
③予算
潅水のために必要な設備予算とともに、潅水に要する人件費・水道料金・消耗品費について考慮する。
【参考例】
潅水システム | イニシャルコスト | ラーニングコスト 1年目 |
ラーニングコスト 2年目 |
ラーニングコスト 3年目 |
備考 |
手撒き | ¥7,000 | ¥12,000 | ¥7,000 | ¥6,000 | 散水ホース |
手動 | ¥21,000 | ¥4,000 | ¥4,000 | ¥4,000 | 散水ホース・スプリンクラー・バルブ |
半手動 | ¥28,000 | ¥2,000 | ¥2,000 | ¥2,000 | 散水ホース・スプリンクラー・自動停止弁 |
自動 | ¥3,5000 | ¥1,000 | ¥1,000 | ¥1,000 | 散水ホース・スプリンクラー・電磁弁 |
※算出条件:緑地 14,000㎡、人件費 16,000円/工数
自動潅水システムはイニシャルコストは高くなるが、ランニングコストを含めると、4年程度で手撤きと同等となる。
3.潅水システム
①散水栓による手撒き潅水
最も簡昜な潅水方法で、広く採用されている。規模、植栽樹種にもよるが、一般的に労力負担が大きい。
②手動潅水
バルブ以降に散水機器(点滴ホース・スプリンクラー・ドリッパー)を接続して、管理者のバルブ開閉により潅水管理を行うシステム。 手撒き散水に比べ省力化は図れるが、管理規模が大きくなると水源(低水量・低水圧)にもよるが、労務コストは増大する。またバルブの閉め忘れに注意は必要。
③半自動潅水
定流量自動停止弁を利用したシステムで、流量のダイアル調整後、管理者がバルブを開きダイアル分の流量が流れると、自動的に停止する。電源の必要は無く、手動散水に若干のコストアップで、導入できるメリットある。
④全自動潅水
潅水管理を潅水用の制御盤が行うシステムで、管理者の労力負担がほとんど無い。初期投資はシステムの中で最も高価だが、大規模緑地、適当な管理者がいない、管理費を潅水に回せないケースに有効。
4.潅水機器選定
①潅水機器種類
・点滴潅水ホース
・ポップアップスプリンクラー
②植栽種類
・高木・中木・低木・芝生・地被類
③規模
・大・中・小規模
④水源
・水量・水圧・水質